終戦の日
今日は終戦の日です。
あまり知られていませんが、沖永良部には「占領下」の時代があります。
終戦の年から約8年間、アメリカの統治下になりましたが、実際には日本からもアメリカからも補給がなく、完全自給自足を強いられました。日本本土がどんどん復興していく中、ただ貧困と食料不足に耐え、一部の島民は密航という形で進学や出稼ぎに、本当に命をかけて出ていきました。
中脇初枝さんが「神に守られた島」と「神の島のこどもたち」という本を出版されました。
中脇さんは沖永良部に何度を足を運び、戦中占領下の実際の島の生活を島民の方々に丁寧に取材をし、その内容を基に小説を書かれました。事実をただ述べるよりも、小説にすることで当時の島民の息遣いや感情が生々しく感じることができ、また過去のことの紹介ではなく、今の私たちへのメッセージが主人公の言葉を通してバシバシと飛んできます。
題名には「神に守られた」「神の島」とありますが、ここは、いたって平凡で普通の人が暮らす島です。そんな普通の人々が壮絶な状況に直面したとき、どのような行動にでるのか、どのような感情になるのか。
先祖や親が大切にしてきたものを捨ててまで手に入れようとしたものは何か。その時思春期を迎えた若者たちはどのような行動をとったのか。
ぜひ本を読んで、いろいろな風を感じていただきたいです。